渋谷区笹塚、京王線笹塚駅から3分の鍼灸院「メリディアンハウスはりきゅう」です。
【現代医学ではどのようにみているのでしょうか】
※注意するもの(救急で病院へ)
〔症状〕
①意識障害がある、片麻痺(体の片方が動かない)、言語障害(うまくしゃべれない)などの症状や眼の症状がある場合(脳出血、緑内障などが考えられます)
②頭痛が急に始まり、かつ耐えられない痛みになって続いている、あるいは痛みがどんどん強くなる場合(脳出血、脳腫瘍などが考えられます)
③早朝に頭痛が強く、嘔吐が頭痛の極限で発生し、嘔吐後に頭痛が軽快する場合(脳圧亢進症状)
〔所見〕
原因、経過により、深部反射の異常や項部強直や病的反射などが出現する。
◎適応となるもの
鍼灸が適応となるのは「筋収縮性頭痛」、「片頭痛」などの頭痛であるが、頭蓋部の神経痛、眼・耳・鼻・歯などの異常、頸椎の異常等による頭痛などは、原因、程度により鍼灸治療により改善がみられる。
筋収縮性頭痛
〔病態〕
頭蓋部、頸部筋の持続的筋収縮により頭痛が発生する。
〔症状〕
非拍動性で、持続性の慢性頭痛、しめつけられるような痛み、頭重感を訴える、頚、肩のこりを伴うことが多く、悪心、めまい感を伴うことがある。
〔所見〕
頭頚部、肩部に筋緊張や硬結、圧痛などがみられる。コメカミなど筋緊張部を圧迫すると、気持ちがよくなることが多い。
〔治療方針〕
筋の過緊張をゆるめ、局所の循環を改善し、頭痛の改善をはかる。痛みの部位を中心に、頭部や頚肩部の筋緊張、圧痛、硬結などの反応がみられる経穴、反応点に施鍼、施灸する。
〔処方例〕
天柱、風池、肩井、懸顱
片頭痛
〔病態〕
頭蓋外血管の拡張により頭痛が生じる
〔症状〕
拍動性、反復性の慢性頭痛で、多くは片側性、疲労、ストレスなどで誘発されやすく、充分睡眠をとると楽になることが多い。悪心、嘔吐、肩こりなどの随伴症状、閃輝暗点などの前駆症がみられることもある。
〔所見〕
頭痛発作の最中は、顔面の紅潮、結膜の充血がみられることがある。後頭動脈、浅側頭動脈などの血管上に圧痛があり、血管圧迫により一過性に頭痛が軽減あるいは消失する。
〔治療方針〕
自律神経系などを調整し、血管運動を安定させ、頭痛の改善および予防をはかる。頭蓋血管上の圧痛や頚肩部に筋緊張、硬結などの反応がみられる経穴、反応点に施鍼、施灸する。
〔処方例〕
天柱、完骨、和髎、陽白
【東洋医学的な考え方】
頭痛は臨床上よくみられる自覚症状であり、多くの急性、慢性疾患に現れる。ここでは内科の範囲に限定して述べる。
A.分類
頭痛の病因は多くあるが、次の外感と内傷に分類することができる。
A.)外感性の頭痛
生活の不注意などにより風、寒、湿、熱などの外邪が身体に侵入することにより起こるが、この中では風邪が主体となっている。
①風寒による頭痛:寒邪が作用して頭部に気血の運行障害が生じると起こる。
②風熱による頭痛:熱(火)邪には炎上する性質があり、このため気血が頭部に逆乱すると起こる。
③風湿による頭痛:湿のために清陽が頭部に到達しないと起こる。
B)内傷性の頭痛
「脳は髄の海」といわれているが、これは主として肝腎に蔵されている精血と脾胃の運化による水穀の精微により栄養されている。したがって内傷頭痛は、脾肝腎三臓と密接な関係がある。
①肝陽の亢進による頭痛:肝陽が亢進し頭部に影響すると起こる。
②痰濁による頭痛:痰濁が頭部に影響し、清陽がうまく頭部に到達しないと起こる。
③瘀血による頭痛:外傷または久病により脈絡が阻滞すると起こる。
④腎虚による頭痛:髄海が空虚になると起こる。
⑤気血両虚による頭痛:気虚のために清陽が頭部に昇らず、血虚のために頭部を栄養できないと起こる。
B.鑑別
外感性の頭痛は、急に発病し疼痛も激しく持続性がある。外邪によるものは、多くは実証である。
内傷性の頭痛は緩慢に発病し、疼痛もさほど激しくなく、時々頭痛が起り、疲れると増強するという特徴がある。多くは虚証である。
また瘀血による頭痛は、多くは刺痛、鋭痛、疼痛部位が一定しているという特徴があり、または頭部の外傷歴がある。
痰濁による頭痛は、頭痛とともに頭がぼんやりし、重だるさや悪心、嘔吐を伴いやすい。
C.主な病証
A)虚証例<気血両虚による頭痛>
〔病態〕
気虚のために清陽が頭部に昇らず、血虚のために血が頭部をうまく栄養できないと頭痛が起る。動くと気をいっそう消耗するので、疲れると症状が増強するという特徴がある。またこの場合、脾気虚がベースにあるので倦怠感、無力感、食欲不振などの症状を伴いやすい。
〔症状・所見〕
①主要症状:頭痛(隠痛)、疲れると頭痛
②舌脈所見:舌質痰、舌苔白、脈細無力
③随伴症状:倦怠感、無力感、心悸、怔忡、食欲不振、顔色不華
〔治療方針〕
気血を補い、絡脈の通りを良くする。主として気血の生成を促すために、足陽明、足太陰経穴を取穴し、鍼にて補法を施す。灸の併用も可。
〔処方例〕
百会、心兪、脾兪、足三里、三陰交
B)実証例<痰濁による頭痛>
〔病態〕
痰濁が頭部に影響し、さらに痰濁があるために清陽が頭部にうまく到達しないと頭痛が起こる。この場合は脾の運化作用の低下による症状や、痰濁の上逆による症状を伴いやすい。
〔症状・所見〕
①主要症状:前額部痛
②舌脈所見:舌苔白膩、脈滑
③随伴症状:胸苦しい、胃のつかえ、悪心、嘔吐、泥状便
〔治療方針〕
痰濁の除去をはかり、絡脈の通りを良くする。主として任脈、足陽明経穴を取穴し、鍼にて瀉法を施す。
〔処方例〕
中脘、豊隆、合谷、百会、頭維
151-0073
東京都渋谷区笹塚2-11-1 Y・S KOMATSUビル501
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