<症状>
首から肩甲骨の上、肩甲骨の間に詰まったような、こわばったような不快な感じがあるものです。
<原因>
日々の生活の中での単純な疲労
のほかに、
・頸椎疾患
・耳鼻科疾患
・眼科疾患
・歯科疾患
・内科疾患
・いわゆる不定愁訴(更年期障害、自律神経失調症)
の主訴として訴えられることがあるのでしっかり見極める必要があります。
<診断方法>
各科領域疾患で、専門医の処置を緊急に要する器質疾患の存在が疑われるものを除外して、
圧痛、硬結の所在を確認します。
<病院での治療>
リハビリなどによる運動療法
湿布や痛み止めなどの薬物療法
トリガーポイントに食塩水の注射
<鍼灸院ではどのように対処するのか?>
最も多くみられる、日常的な身体的・心理的疲労に起因する肩こりが鍼灸治療の最適応症となります。
①問診
問診により他の疾患の可能性がないか確認していきます。
②触診
硬結や圧痛の位置を確認します。
③鍼灸施術
頚肩部、肩甲間部の圧痛や硬結が第一の治療点となります。
精神安定や自律神経調整などが必要な場合もあります。
★東洋医学的なみかた★
<原因>
①風寒の邪:風寒の邪が太陽、陽明経に侵襲し、そのために営衛の運行が悪くなり、頚肩部の経脈が拘急すると肩こりが起こる。
②肝陽の亢進:陰虚のために肝陽が亢進し、頭頚部に上衝すると肩こりが起こる。
③肝血の不足:眼精疲労や病後、産後により血虚となり、そのために頚肩部の経絡がうまく栄養されず、拘急すると肩こりが起こる。
④寒飲:平素から胸膈部に寒飲が停滞していて、そのために胸部の陽気がうまく動かないと背部に重圧感や拘急が起こり、頚項部にも波及する。
⑤気滞血瘀:情志の失調などにより肝の疏泄機能が悪くなり、そのために肩部の血行が悪くなると肩こりが起こる。また長時間の不良姿勢や外傷などにより肩部局所に気滞血瘀が生じて起こるものもある。
<鑑別>
①(実証):風寒の邪による悪寒などの表証を伴う。
②(実証):高血圧症によくみられ、肝陽の亢進によるめまい、口苦、目の充血、顔のほてりなどの症状を伴う。
③(虚証):眼精疲労や目の乾き、めまい、心悸などの血虚による症状を伴う。
④(実証):寒飲による胸悶、喘息、めまい、軽度の浮腫などの症状を伴う。
⑤(実証):気滞血瘀による胸脇苦満・疼痛、よくため息をつく、月経不順などの症状を伴い、情緒の変化や月経前後に増強するものもある。
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