リンゴ型・洋ナシ型肥満の違いから食欲コントロール(耳鍼)、代謝を高めるツボまで分かりやすく解説
「ダイエットをしてもなかなか痩せない」
「最近、お腹周りが気になってきた」
とお悩みではありませんか? 肥満とは、単に体重が重い状態のことではなく、身体に占める脂肪組織の割合が異常に増加した状態を指します。肥満は見た目の問題だけでなく、将来的に高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病(メタボリックシンドローム)へとつながる大きな要因となります。
当院では、肥満の原因や体質(東洋医学的病証)を適切に見極め、鍼灸治療と生活習慣へのアドバイスを組み合わせたアプローチを行っています。
⚠️ 医療機関での受診が必要な肥満(二次性肥満)について
肥満の90%以上は過食や運動不足による「単純性肥満」ですが、稀にホルモン(内分泌)の異常、脳の損傷、遺伝、服用中の薬剤などが原因で起こる「二次性肥満(症候性肥満)」が存在します。他の疾患が原因の場合は専門医による治療が優先されるため、必要に応じて医療機関への通院をご提案いたします。
◆ 内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満・上半身型肥満)
【チェック】
- 下半身に比べて、お腹周りや上半身に脂肪がつきやすい
- ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上ある
- 健康診断で血圧、血糖値、中性脂肪などの数値を指摘されたことがある
- 食べ過ぎやドカ食い、夜遅い時間の食事が多い
💡 当院の専門アプローチ
- 病態生理と主訴:腹腔内の内臓脂肪組織の過剰蓄積。悪玉アディポサイトカイン(TNF-α、PAI-1、アンジオテンシンII等)が増加し、善玉(レプチン、アディポネクチン)が低下・抵抗性を示すことで、耐糖能障害や高血圧、動脈硬化を高頻度に誘発する。東洋医学的には、過食や美食による脾胃の失調から生じた「痰湿内蘊(たんしつないうん)」(実証)として捉える。
- 選穴・鍼灸治療:
- 東洋医学的アプローチ:脾の運化を高め、停滞した痰湿を除去するため、足三里・中脘・脾兪・胃兪・三陰交に補法を施す。豊隆には瀉法を用いて痰湿を直接削る。食欲亢進・胃熱が強い場合は内庭に瀉法を施す。
- 耳鍼療法・自律神経調整:食欲抑制や代謝調節を目的に耳穴(胃点・肺点・噴門点・飢点など)を選択。特に肺点の電気抵抗低下点への刺鍼や円皮鍼、低頻度(5Hz前後)の鍼通電療法(例:肺点—肩井間)を活用し、食欲中枢や代謝系へアプローチする。
◆ 皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満・下半身型肥満)
【特徴チェック】
- 腰回り、太もも、お尻など下半身を中心に脂肪が蓄積している
- 皮下脂肪がつきやすく、一度つくとなかなか落ちにくい
- 冷え症で、夕方になると足がむくみやすい
- 体力がなく疲れやすい、体を動かすのが億劫
💡 当院の専門アプローチ
- 病態生理と主訴:腰部・大腿部の皮下脂肪組織への過剰蓄積。代謝率が比較的低く減量が難易度を増す。脱共役蛋白質1(UCP1)やβ2ARなどの遺伝子多型に伴う基礎代謝量の低下(エネルギー消費能力の低下)が背景に存在することもある。東洋医学的には、消化吸収・水液代謝のエネルギー自体が低下した「気虚(ききょ)による肥満」(虚証)と診立てる。
- 選穴・鍼灸治療:
- 東洋医学的アプローチ:脾気を補い、全身の代謝・エネルギー産生を高める目的で治療を行う。太白・足三里・中脘・脾兪・胃兪に補法を施して消化吸収(運化)機能を底上げし、気海・肺兪に補法を行って全身の「気」を補益する。
- 生活指導(指導方針):基礎代謝の低下を補うため、糖質制限を意識した食事指導とともに、自重負担の少ない水中運動や自転車、中等度のウォーキング(1日15〜30分を2回など)といった有酸素運動の定着を促す。
