眼精疲労、目の疲れ、目の使いすぎ

<症状>
文字通り、目が疲れるもの

※注意を要するもの⇒眼科へ
☑徐々に視力が落ちる、視野が狭くなる
☑目に異物感やかゆみなどがある

<鍼灸院では>
目の周囲、後頚部の圧痛・硬結などに鍼灸施術を行い、調節機能の疲労改善を目指す。

【もっと詳しく】
<現代医学的>

〔病態〕

 近業の程度・持続時間・環境の過酷な条件下での視作業(VDT作業など)での毛様体筋の疲労などによる眼の調節機能低下から眼精疲労が生じる。

〔症状〕

 疲れると物がぼやけてみえ、近距離視力の減退を訴えることが多い。

 また、眼痛や前頭部の圧迫感が生じ、ひどくなると悪心・嘔吐を起こすことがある。

〔所見〕

 疲労時には調節機能の異常や屈折異常(視力低下)がみられる。眼位、視野、眼圧の異常はみられない。

〔治療方針〕

 眼の毛様体筋や調節機能の疲労の改善を目的に、眼の周囲および後頚部の筋緊張、圧痛、硬結などの反応がみられる経穴、反応点に施鍼、施灸する。

〔処方例〕

顔面部:攅竹、太陽


<東洋医学的>

①肝血虚による眼精疲労:肝は目に開竅しており、肝血は目を栄養している。肝血虚になると目を充分に栄養できなくなるので眼精疲労が起こりやすくなる。

②肝腎陰虚による眼精疲労:遠視、近視、老視および平素から身体が弱い者が、目を使いすぎて気血を消耗すると眼精疲労が起こる。これは肝腎の精血が不足していて、目を充分に栄養できないためである。

〔病態〕

 目を使いすぎて精血を消耗したり、もともと精血が不足しているために目への供給が充分でないと眼精疲労、目の乾き、目がかすむ、視力低下などの症状が現れる。肝は筋を主っているが、血が不足しうまく筋を栄養できないと、手足のしびれ、ふるえ、拘急などが起こる。

〔症状・所見〕

①主要症状:眼精疲労、目の乾き、目がかすむ、視力低下、目の脹痛

②舌脈所見:舌質淡、舌苔薄、脈細

③随伴症状:めまい、耳鳴り、健忘、胸脇苦満、手足のしびれ、ふるえ、拘急

〔治療方針〕

 精血の不足を補い、また局所の経絡気血の循環を改善する。主として足少陰、足竅陰経穴を取穴し、鍼にて補法を施す。局所には軽刺激を与える。

〔処方例〕

 太谿、太衝、三陰交、攅竹、風池